東京都内で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)への関心が高まる中、購入の大きな後押しとなるのが東京都のZEV補助金制度です。しかし、2025年度(令和7年度)からこの制度が大幅に変更されることをご存知でしょうか。
公式発表は情報量が多く、複雑で分かりにくいのが実情です。そこでこの記事では、難解な公的資料を読み解き、購入希望者が補助金を最大限に活用し、思わぬ失敗を避けるために絶対に知っておくべき「5つのポイント」を徹底解説します。
※今回の記事はEV・PHEVを主に取り上げた記事です。FCV車両については別で取り上げる予定です。
1. 「基本額ダウン、メーカー別は大幅アップ」2025年度からの新ルールに注目
2025年4月1日(令和7年4月1日)以降に新規登録される車両から、補助金の計算方法が根本的に変わります。最も大きな変更点は、「基本助成額」が引き下げられる一方で、「メーカー別上乗せ額」が大幅に引き上げられることです。
まず、車両の基本性能に対する「基本助成額」が以下のように減額されます。
| 年度 | EV/PHEV 基本助成額(給電機能あり) |
| 2024年度(令和6年度) | 45万円 |
| 2025年度(令和7年度) | 20万円 |
この基本額の減少を補って余りあるのが、「メーカー別上乗せ額」の大幅な増額です。これは各自動車メーカーの環境への取り組みを多角的に評価して決定され、メーカーによって補助金額に大きな差が生まれます。
メーカー別上乗せ額の変更例(令和6年度 → 令和7年度)
• 日産 (Nissan): 10万円 → 40万円
• トヨタ (Toyota), レクサス (Lexus):10万円 → 35万円
• Stellantis (プジョー, シトロエン, ジープ等)::5万円 → 35万円
この新しい上乗せ額は、単なる販売実績だけでなく、「車両ラインナップ(最大10万円)」「メーカー販売実績(最大10万円)」「GX評価項目(最大20万円)」という3つの基準で総合的に評価されています。メーカー全体のグリーンな変革(GX)への貢献度が、購入者の受け取る補助金額に直接反映される仕組みです。
CEV補助金(車両)の申請も忘れなく。CEV補助金についてまとめた記事はこちらから。
2. 自宅の電気が「再生可能エネルギー」なら、さらに数十万円がプラスに
車両購入だけでなく、自宅のエネルギー環境をグリーンにすることで、補助金がさらに増額される制度が用意されています。これは購入者のライフスタイル全体での脱炭素化を促すもので、金額も非常に大きいのが特徴です。
増額の対象となる方法は以下の2つです。
• 100%再生可能エネルギー電力メニューの契約: 電力会社が提供する、再生可能エネルギー由来100%の電力プランを契約する。
• 太陽光発電システムの設置: 自宅などに発電出力2kW以上の太陽光発電システムを設置する。どちらか一方を選択することで、以下の金額が上乗せされます。
| 車両タイプ | 100%再エネ電力プラン契約 | 太陽光パネル設置 |
| EV | 15万円 | 30万円 |
| PHEV | 15万円 | 15万円 |
3. 買ってすぐの売却や都外への引っ越しはNG!「4年ルール」の罠
補助金は、車両を都内で長期間使用することを前提としています。そのため、「処分制限期間」というルールが設けられており、これを知らないと後で多額の返金を求められる可能性があります。
個人が自家用車として購入した場合、この期間は初度登録日から起算して4年間です。この期間内に以下の「処分」を行うことは原則として禁止されています。
• 車両の売却(譲渡)
• 車両の廃車(廃棄)
• 東京都外への転居(住民票の都外移転)
• 車検証に記載の「使用の本拠の位置」を都外へ変更すること
やむを得ない事情で4年以内に処分が必要になった場合は、必ず事前にクール・ネット東京(公益財団法人 東京都環境公社)へ申請し、承認を得なければならず、経過期間に応じた補助金の返納が義務付けられます。
万が一、不正な申請や無断での処分が発覚した場合は、厳しいペナルティが課されます。
「偽りその他の不正の手段により手続きを行った…場合は、その全額に加算金(年率 10.95%)を加えて助成金を返還していただきます。」
購入後のライフプランも考慮し、この4年ルールを必ず念頭に置いておきましょう。
4. 申請は「先着順」。予算が尽きれば補助制度終了予定
東京都のEV補助金は、潤沢な予算が無限に用意されているわけではありません。予算の上限が定められており、申請は「先着順」で受け付けられます。
重要なのは、申請は車両の購入・登録が完了した後にしかできないという点です。つまり、「納車されたから、落ち着いてから申請しよう」と考えていると、その間に予算が尽きてしまい、補助金を受け取れなくなるリスクがあります。
購入後、申請に必要な書類(発行から3ヶ月以内の住民票または印鑑登録証明書、購入車両の代金に係る請求書または注文書、車両代金の領収書、自動車検査証記録事項など)を事前に準備しておき、車両登録が完了したら一日でも早く申請手続きを行うことが、補助金を確実に受け取るためのポイントです。
※ 申請期限は初度登録日から1年以内もしくは令和 8 年 3 月 31 日となっております(2025年10月現在)
5. V2Hなどの設備補助は「後から別申請」。一度に全額はもらえない
EVやPHEVの価値をさらに高めるV2Hなどの充放電設備を導入する場合、車両本体の補助金に加えて、さらなる上乗せ補助が受けられます。しかし、その申請プロセスは非常に特殊で、注意が必要です。
充電設備・V2H・V2B 充放電設備による助成額の増額申請を検討されている場合、申請受付センターに事前に相談するなどして慎重に進めていきましょう。
今回は以上です。 制度は複雑ですが、そのポイントを正しく理解すれば、環境に優しく、経済的にも大きなメリットを享受できます。 忘れずに申請をおこないましょう!
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